前回は、商品を絞るために参考となる基準をお伝えしました。
今回はその基準を使って、商業登記を考察していきましょう。
トップページにて、「司法書士完全攻略」というネット集客に必要な基礎知識を完全解説しております。
是非、ご覧ください。

需要-△
商業登記は需要自体はあるのですが、司法書士への依頼は減少傾向にあります。
特にこの数年「設立登記の依頼が減ったな」と感じる司法書士は多いのではないでしょうか?
その感覚は正しいです。依頼は確実に減っています。
設立関係に力を入れていない司法書士の方のために解説します。
Google、もしくはYahooで「会社設立」と検索してください。
「無料で会社設立」もしくは「ほぼ免許税の価格で設立」のような広告が目立つと思います。
なぜ無料で設立ができるかというと、会社設立をフック商品として設立後の顧問契約で稼ぐ税理士や会計ソフトが増えてきたからです。会社設立にかかる報酬は広告費として負担しているようなイメージです。
税理士法人の場合は司法書士にそこから依頼し、会計ソフトの場合はWEBサービスとして”あくまで自身で申請するサポート”という形でやっています。
ちなみに後者の”自身で申請するサポート”は、設立だけでなく、役員変更や不動産登記など、徐々に増えています。
これらのサービスについての是非についてはここでは話しませんが、司法書士会が決着をつけてくれるまでは競合として考えるべきかと思います。
このように業界内だけでなく、業界外の事情も踏まえてどれだけ獲得できるのか?を考えていかなければなりません。
単価-◯
商業登記は依頼先の継続性があるため、1社が生涯に渡っていただける報酬は高めです。
ただし、非公開会社の役員変更の任期が2年から10年に変わったことにより、昔より依頼は減りました。
それを踏まえても単発の不動産登記と比べると1件取れたときの期待値は大きいかと思います。それなりの規模の会社と関係が作れれば任期関係なく、役員変更を頻繁に行います。
また、顧問契約をおこなっている司法書士もいます。商業登記関連だけでなく、法に関連するアドバイスも合わせても月額で提供しているスタイルです。いま、マーケティングのトレンドはサブスクリプション(Amazonプライム、Netflix、ホテル泊まり放題など)と言われていて、月額での提供が1顧客から報酬をいただける金額が最も高くなると言われています。
顧客獲得も難しくなっており、コスパのよかった役員変更も10年になったので、看板商品として掲げるのはあまりおすすめしません。が、顧問契約まで獲得できるノウハウがある(もしくは顧問契約を看板商品にする)のであれば、看板商品として力を入れる価値は十分にあると思います。
優位性-◯(ただし顧問契約は△)
商業登記の代理は司法書士しかできないので、優位性は高いです。申請書の自動作成サービスが増えていますが、それなりの規模の会社であれば、まだまだ司法書士に依頼すると考えています。
反対に設立に関しては、みなさんお金のないタイミングであることが多いので、申請の自動作成サービスとは分が悪いと思います。税理士の無料設立サービスは司法書士が設立登記をやるので、頑張っている税理士と連携する感じで争わなくていいと思います。
顧問契約などは弁護士に劣ると言わざる終えません。
商業登記だけであれば単発で依頼すればいいだけなので、どうしても法的アドバイスや内容証明などの訴訟関係の業務がセットになると思います。訴訟業務は弁護士には勝てないので、値段設定で優位性を作りましょう。
難易度ー△
ネットから商業登記の依頼を取るのは厳しくなっています。顧客との付き合いの入り口である設立が取りにくくなってるからです。
あえて商業登記をやる理由(さきほど記載した顧問契約の獲得ノウハウなど)がなければ、看板に上げる必要はないかと思います。
強いてネットで獲得する方法を考えるなら、リスティング広告で相場より高単価のオークションにかけ、一番上に表示させ、周りの商品と比較しないようなタイプの顧客を獲得する方法でしょうか。
いずれにせよ、戦略なしに「商業登記できます」というネット広告を1本出して食べていけるほど、優しくはないと思います。