今回からは単価についてお伝えします。
私は過去に化粧品とかサプリメントなどの販売のサポートなどをしていたました。
ああいうネット販売の激しい業界ではほぼ毎月のように単価(値段)が変わります。ネット広告はオークション形式なので、高められる利益は高めないと負けてしまうからです。
ちなみに値上げをすると必ずしも販売数が減る、と思っている人がいますがそうではありません。全く同じ商品を20%ほど値上げして販売したことがあるのですが、販売数は前月と同じだったことがあります。単純に利益が20%増えたので喜んでいただけた対応の1つです。
しかし、「値上げしても変わらない」ということは「販売から利益の20%を取りそこね続けた」と言い換えることができます。販売開始当初に単価の検証をし、初めから価格を20%あげた状態で販売していれば、数百万円から数千万円の利益を取り損ねずに済んだわけです。
ここでは経営者の仕事の1つである「利益の最大化」という観点から、単価の基礎知識をお伝えします。
トップページにて、「司法書士完全攻略」というネット集客に必要な基礎知識を完全解説しております。
是非、ご覧ください。

単価の設定方法
まず、単価の設定は自由です。司法書士も平成15年から報酬の自由化が始まりましたので、好きに値段を設定して全く問題ありません。
自分の価値から時間単価を考えて、かかる作業時間で値段をつける。原価+利益率20%にする。相場から考えて、少し低めに設定する(高めに設定する)。機械的に値段を上げていって、利益が最大となる価格にきめる。自身のブランディングの価値から考える。などなど、自由に設定してなわけです。
単価設定で重要なポイントは
①その単価でうれるのか?
②販売数最終的な利益はいくらなのか?
の2点です。
①その単価でうれるのか?
「その単価で売れるのか?」という部分は非常に重要です。値段設定は相場より高くなるほど販売力が必要です。例えば、銀行や信託銀行の相続手続代行の手数料が100万円とか200万円とかで高額で強気なのは銀行という圧倒的なブランディングがあるこそできる料金設定です。銀行が200万円と提示するからこそ、「相続ってそういうものなのか」と納得してしまうわけです。司法書士が200万円で提示して、そのまま素直に受けてもらえるのは難しいと思います。
②販売数最終的な利益はいくらなのか?
また「 販売数最終的な利益はいくらなのか? 」も重要です。
単価を決めるときは販売数だけをみるのではなく、総利益を見なければなりません。
例えば「人件費が1万円で商品が3万円であれば、2万円の利益。2つ売ると利益は4万円」という商品があります。この値段を倍にした場合「人件費が1万円で商品が6万円であれば、5万円の利益」です。値段を倍にしたことで販売数が2分の1となり、1つしか売れなかったとしても利益は後者のほうが高いです。
このように値段を倍にして販売数が2分の1になっても利益がかってしまうこともあります。ちなみにこの計算でいくと人件費を1.5倍かけて、超丁寧なサービスをしても後者のほうが利益が高いです。
司法書士は手続きの代行業という性質上、極端な単価調整は難しいです。業務範囲がある程度固定されたり、司法書士によって成果物が変わったりすることは基本的にはないからです。
この部分に関しては、サービス単価ではなく、顧客単価を上げるという考え方で対応していきます。別途記事を書きますのでそちらをご覧ください。
単価設定後にも調整が必要
単価を設定した後も調整と検証が必要です。
例えば、抵当権抹消の報酬で利益が最大になるだろう単価を9000円と定義します。
では、抵当権抹消登記の報酬を9000円から9100円に変えたところでお客さんは減るのか?おそらく減らないと思います。結果的に変わらない場合、9150円にしたらどうでしょうか?おそらく変わらないでしょう。しかし5万円にしたらどうでしょうか?おそらく激減するでしょう。「いくらまでなら減らないのか?」という答えは実際に検証してみる以外には分かりません。
利益の最大化を目指すにあたって、この検証から外れることはできません。
わかりやすく抵当権抹消の例で説明しましたが、不動産業者からの紹介などの兼ね合いで、売買の移転関連の金額は簡単に変えることはできないと思います。実際には遺言や相続手続き、商業登記などで獲得していく場合は、調整と検証を繰り返していきましょう。
ちなみにうちの事務所は開業から一切変えていませんでしたが、ここ半年で10回ほど調整し検証しております。この記事を書いている10月からも大きな料金体系の変更を行います。別の記事で紹介する客単価の調整テクニックの組み合わせた結果にはなりますが、1.5倍ほどの客単価にすることができました。
「司法書士は特殊だから」と諦めるのでなく、できる範囲で検証してみてください。
まとめ
司法書士はもともと法定単価だったため、全般的に価格戦略を活発にやっている事務所は少ないと思います。しかし、それは得べかりし利益を損ねていることほかなりません。数百円、数千円の範囲でも試してみることをおすすめします。
また、ネット広告で集客するさいに価格戦略は最重要項目となります。「ネット広告ならではの価格戦略」と「単価の上げ方」はぜひ一緒に御覧ください。