個人事業主(フリーランス)の社会保険|加入制度・入り方・手続きを解説

個人事業主(フリーランス)になると、社会保険は「会社がやってくれるもの」から「自分で期限内に手続きするもの」に変わります。しかも制度ごとに窓口も期限も違い、退職から14日、20日といった短い期限が同時に走ります。この記事では、制度の一覧を眺めるのではなく、本人がどの制度に加入し、いつまでにどこへ何を出すかという判断と手続きに絞って整理します。独立直後の切り替え、厚生年金に入れるケース、労災への任意加入、従業員を雇ったときの届出、そして払えない・忘れたときの対処までを順番に見ていきます。

独立したら社会保険って、何から手続きするんですか?
入る制度と期限を順に見ていくのじゃ。窓口も制度ごとに違うぞ

個人事業主が加入する社会保険と加入できない制度

個人事業主が必ず入る社会保険は、どれなんですか?
国民健康保険と国民年金、40歳からの介護保険の3つじゃ

手続きの話に入る前に、加入関係の結論だけ先に押さえます。個人事業主(フリーランス)本人の立場は、制度ごとに次の3つに分かれます。

  • 強制加入
    国民健康保険、国民年金(20歳以上60歳未満)、介護保険(40歳以上)。手続きをする・しないの選択肢はなく、届出義務がある
  • 任意加入できる場合がある
    労災保険の特別加入。要件を満たす人が、特別加入団体を通じて申し込む
  • 本人は加入できない
    雇用保険。事業主である個人事業主本人は被保険者にならない

会社員のときは、健康保険・厚生年金・介護保険・雇用保険・労災保険が給与天引きと会社の手続きでまとめて処理されていました。独立すると、強制加入の3制度は自分で届け出て自分で納め、労働者向けの2制度は原則として枠の外に出ます。

ここで混乱しやすいのが「社会保険」という言葉の使い方です。広い意味では次の5つの制度をまとめて指します。

  • 公的医療保険:健康保険(会社員)、国民健康保険(個人事業主)
  • 年金保険:厚生年金(会社員)、国民年金(全員)
  • 介護保険:40歳以上の医療保険加入者が対象
  • 雇用保険:雇われて働く人の失業・育児休業などに備える
  • 労災保険:業務中・通勤中のケガや病気を補償する

このうち医療・年金・介護の3つを狭義の社会保険、雇用・労災の2つを労働保険と呼び分けます。実務で「社保に入る」と言うときは、会社員が入る健康保険と厚生年金を指していることがほとんどです。この記事でも、その区別が必要な場面では制度名で書き分けます。

会社員のときと何が変わるのか

加入する制度が変わると、受けられる保障も変わります。独立前に把握しておきたい差は次の4点です。

  • 保険料が全額自己負担になる
    会社員は健康保険料・厚生年金保険料を会社と折半していたが、国民健康保険料も国民年金保険料も全額を自分で納める
  • 被扶養者の区分がない
    健康保険では要件を満たす家族を保険料の負担なく扶養に入れられたが、国民健康保険は加入者1人ごとに均等割がかかる(納付義務者は世帯主)
  • 傷病手当金・出産手当金が原則ない
    健康保険にあった、働けない期間の収入を補う給付が国民健康保険には原則ない
  • 年金が1階部分だけになる
    厚生年金の上乗せがなくなり、国民年金のみになる

会社員時代は会社が半分を負担し、扶養家族が何人いても保険料が変わらず、病気で長期に休めば傷病手当金が出ていました。この見えていなかった手厚さが、独立すると自分の負担として表面化します。

なお、本人が加入できないことと、保障がまったく得られないことは同じではありません。労災には特別加入という道があり、厚生年金も働き方によっては加入する場合があります。以降で、それぞれの入り方を具体的に見ていきます。

独立・退職したときの社会保険の切り替え手続き

会社を辞めたら、いつまでに届け出るんですか?
国保と年金の種別変更は14日以内、任意継続は20日以内じゃ

会社を辞めて個人事業主(フリーランス)になるとき、社会保険の手続きは自動では進みません。退職日の翌日に資格が変わり、その日を起点に14日・20日という短い期限が同時に動き出します。ここが実務上いちばん取りこぼしやすい場面です。

まず全体の流れを押さえます。退職すると、勤務先の健康保険と厚生年金の資格を失います。医療保険は自分で入り直し、年金は種別を変える。この2本立てが基本です。

国民健康保険へ切り替える

医療保険の切り替え先として基本になるのが国民健康保険(国保)です。届出先は住所地の市区町村(特別区を含む)の国保窓口で、退職日の翌日から14日以内に届け出ることとされています。国保の資格を取得する日が、退職日の翌日にあたるためです。

注意したいのは、届出の義務者が本人ではなく世帯主である点です。世帯単位で管理される制度のため、書類も世帯主名義で扱われます。手続きの際は、退職日が分かる健康保険資格喪失証明書などが必要になるので、退職時に勤務先へ発行を依頼しておくと滞りません。

保険料は前年の所得や世帯の加入人数をもとに市区町村ごとに計算され、料率や算定方式も自治体によって異なります。金額の目安を知りたい場合は、届出のときに窓口で試算を依頼するか、自治体のサイトで確認するのが確実です。

国民年金の第1号被保険者へ種別変更する

年金は「新しく加入する」のではなく、種別変更という扱いになります。会社員は厚生年金に加入しつつ国民年金の第2号被保険者でしたが、独立すると国民年金の第1号被保険者になり、この変更を退職日の翌日から14日以内に届け出ます。

届出先は住所地の市区町村役場の国民年金担当窓口です。国保の手続きと同じ庁舎で完結することが多いため、二度手間を避けるなら同じ日にまとめて行うのが効率的です。マイナポータルからの電子申請にも対応しています。

配偶者を扶養に入れていた場合は注意が必要です。国民年金の第3号被保険者だった配偶者も同時に資格を失い、配偶者自身の第1号被保険者への種別変更が必要になります。本人だけ手続きして配偶者を忘れる、という取りこぼしが起きやすいところです。

20日以内に判断する任意継続と家族の扶養

医療保険については、退職直後に限って国保以外の選択肢もあります。

  • 健康保険の任意継続:退職前の健康保険に引き続き加入する制度。申請期限は退職日の翌日(資格喪失日)から20日以内で、加入できるのは最長2年間
  • 家族の扶養に入る:配偶者や親などの健康保険の被扶養者になる方法。収入などの被扶養者要件を満たすことが条件

任意継続を選ぶには、退職日までに継続して2か月以上の被保険者期間があることが必要です。また、在職中は会社と折半だった保険料が全額自己負担になります。保険料は退職時の標準報酬月額をもとに計算されますが、上限が設けられており、その上限額は見直されることがあります。

期限の管理という点では、任意継続の20日がもっとも短くて厳しい制約です。しかも協会けんぽの場合、20日以内に申請書が「到達」している必要があり、消印有効ではありません

国保・任意継続・扶養のどれを選ぶか

3つは併用できないため、退職後の短い期間に1つを選ぶことになります。判断軸は次のとおりです。

  • 家族の扶養に入れるか
    収入などの被扶養者要件を満たせば保険料の負担がなくなるため、条件に合うなら最初に検討する
  • 扶養家族が多いか
    国民健康保険は加入者1人ごとに均等割がかかるが、任意継続は被扶養者を入れても保険料は変わらない。家族が多いほど任意継続が有利になりやすい
  • 前年の所得が高いか
    国民健康保険料は前年の所得をもとに計算されるため、独立直後は会社員時代の所得で高くなりやすい
  • 2年目以降の見通し
    任意継続の保険料は原則2年間据え置きだが、国民健康保険料は前年所得が下がれば翌年度に下がる

つまり、独立直後は任意継続、所得が落ち着いたら国保という切り替えが有利になる場合があります。国民健康保険料は自治体によって料率も算定方式も違うため、実額は市区町村の窓口や自治体サイトの試算で確認し、任意継続の見込み額と並べて比較するのが確実です。

なお、業種によっては国民健康保険組合(国保組合)という選択肢もあります。デザイナーやライターなどが加入できる文芸美術国民健康保険組合のように業種別に設立された医療保険で、保険料が所得にかかわらず定額であることが多いため、所得が高い場合に負担が軽くなることがあります。加入には各組合が定める加盟団体への所属と審査が必要です。

個人事業主が厚生年金・健康保険に加入できるケース

個人事業主でも厚生年金に入れる場合があるんですか?
法人化するか、雇われて働くかじゃな。本人のままでは入れんのじゃ

「個人事業主でも社保に入れる」という話を目にすることがあります。これは条件つきで正しく、条件を外すと誤りになります。ここを正確に切り分けます。

個人事業主本人は事業所の被保険者にならない

健康保険と厚生年金の被保険者になるのは「事業所に使用される者」、つまり雇われて働く人です。個人事業所の事業主は、この「使用される者」に該当しないため、本人は被保険者になりません

重要なのは、これが事業所の規模とは無関係だという点です。後の章で見るとおり、従業員を5人以上雇って事業所として健康保険・厚生年金の適用を受けるようになっても、事業主本人はその健康保険・厚生年金の対象外のままです。従業員は社保に入り、事業主は国保と国民年金を続ける、という形になります。

なお、事業主の家族については例外的な扱いがあります。他の従業員と同様の就業規則が適用され、勤務時間が管理され、給与計算も同様に行われ、確定申告で専従者給与として計上されていない、といった条件をすべて満たすと確認できる場合には被保険者となり得ます。判断が分かれる領域なので、年金事務所へ個別に確認するのが安全です。

法人化すれば本人も被保険者になる

事業の形を変えずに本人が被保険者になる方法はありません。加入する立場をつくる唯一の常道が法人化(法人成り)です。法人は代表者1人だけであっても適用事業所となり、そこから報酬を受ける代表者は「法人に使用される者」として被保険者になります。

手続きの流れも個人事業とは変わります。法人設立の登記を済ませたあと、事業所として新規適用届を提出し、代表者自身を被保険者として資格取得届を出す、という順番です。従業員がいなくても、代表者1人分の届出が必要になります。

加入できる立場になることで、保障の中身も変わります。保険料は会社と本人で折半する形になり、健康保険には被扶養者の区分があるため要件を満たす家族を扶養に入れられます。傷病手当金や出産手当金の対象にもなり、将来の年金は国民年金に厚生年金が上乗せされます。

一方で、法人化にはコストが伴います。

  • 設立費用
    登記にかかる費用が初期に発生する。株式会社と合同会社でも金額が異なる
  • 法人住民税の均等割
    赤字であっても毎年かかる
  • 手続きの手間
    社会保険の届出や毎月の保険料納付、決算・申告の負担が個人事業より重くなる
  • 役員報酬の設定
    報酬額に応じて社会保険料が決まるため、報酬を高くすると保険料負担も増える

とくに役員報酬は、法人税・所得税・社会保険料のすべてに影響します。報酬を低くすれば社会保険料は抑えられますが、その分は法人に利益として残り法人税の対象になります。逆に高くすれば保険料と所得税が増えます。

法人化が有利かどうかは、保険料の折半や将来の年金額だけでなく、設立費用や維持の手間を含めた総額での試算で決まります。加入資格を得ること自体が目的化しないよう、税理士などに試算を依頼したうえで判断する領域です。

会社員として雇われながら個人事業を営む場合

もう1つは、雇用と個人事業を並行するケースです。会社員として勤めながら副業で個人事業を営む場合や、独立後にどこかの会社で雇用されて加入要件を満たす場合、その雇用先で健康保険・厚生年金に加入します。

この場合、個人事業の所得は加入関係を左右しません。加入の判定は、あくまで雇用契約に基づく労働時間などで行われます。事業所得が増えたからといって、勤務先の社会保険から外れるわけでも、二重に加入するわけでもありません。

ただし、雇用先で社会保険に加入していれば、国民健康保険と国民年金の第1号としての加入は不要になります。独立と就業を行き来する働き方をしている人は、そのつど自分がどの制度の被保険者なのかを確認しておくと、切り替え漏れを防げます。

労災保険・雇用保険に任意で加入する方法

労災には任意で入れると聞きましたが、どう申し込むんですか?
労働局が承認した団体に申し込むのじゃ。手続きは団体が行うぞ

労働者向けの制度である労災保険には、個人事業主でも任意で入れる仕組みがあります。一方の雇用保険には、それに相当する道がありません。この非対称を押さえておくと、備え方の設計がしやすくなります。

労災保険の特別加入で対象になる人

特別加入制度は、労働者ではないものの、業務の実態から見て労働者に準じて保護すべき人に労災保険への加入を認める仕組みです。対象は大きく次のように分かれます。

  • 中小事業主等
    一定規模以下の事業主とその家族従事者。労働保険事務組合へ事務を委託していることが条件になる
  • 一人親方その他の自営業者
    建設業の一人親方、個人タクシー・個人貨物運送、林業、漁業などを行う人
  • 特定作業従事者
    特定農作業従事者、家内労働者、介護作業従事者、芸能関係作業従事者など
  • 特定フリーランス事業
    2024年11月から加わった区分。企業などから業務委託を受けて働く人が、業種・職種を問わず対象になる

2024年11月に追加された区分は対象範囲が広く、これまで特別加入の枠から外れていた職種の人にも道が開かれました。ただし対象は企業などから業務委託を受けている人です。消費者のみから直接依頼を受けて働いている場合は対象外になるため、自分の仕事の受け方を確認してから検討することになります。

加入は団体や事務組合を通して申し込む

特別加入は、本人が労働基準監督署へ直接申し込む形ではありません。一人親方その他の自営業者、特定作業従事者、特定フリーランス事業の場合は、都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体へ加入を申し込み、加入手続きは団体が行います。中小事業主等の場合は、労働保険事務組合に事務を委託して手続きします。

  • 自分の業種・区分に対応した団体を探す
  • 加入を申し込み、給付基礎日額を決める
  • 団体を通じて申請し、承認された日から補償が始まる
  • 保険料と団体の会費は、団体経由で納める

保険料は、自分で選ぶ給付基礎日額と業種ごとの保険料率で決まります。給付基礎日額は休業補償などの給付額の基礎になるため、高く設定すれば保険料も給付も大きくなります。仕事中のケガで働けなくなったときの収入減をどこまで補いたいかを基準に決める項目です。

雇用保険に本人が加入する道はない

雇用保険には特別加入にあたる制度がありません。雇用保険は雇われて働く人のための制度で、個人事業主本人は加入できません。廃業して収入が途絶えても、失業手当にあたる給付は受けられないということです。

なお、雇用保険は労働者を雇う側になったときに関係してきます。加入要件は、1週間の所定労働時間が20時間以上で、31日以上の雇用見込みがあることです。この週20時間という要件は、法改正により2028年10月から週10時間以上へ引き下げられることが決まっています。将来的に人を雇う予定があるなら、頭の片隅に置いておく変更点です。

従業員を雇ったときに必要な加入手続き

従業員を雇うと、届出はどれくらい急ぐんですか?
年金事務所へは5日以内じゃ。労働保険は10日以内と決まっておる

従業員を雇うと、本人の加入手続きとは別に、事業所としての届出義務が発生します。制度によって義務が生じるタイミングが違うため、種類ごとに分けて確認します。

健康保険・厚生年金は業種と人数で決まる

個人事業所が健康保険・厚生年金の強制適用事業所になるのは、法律で定められた17業種(適用業種)に該当し、かつ常時5人以上の従業員を使用する場合です。適用業種には製造、土木建築、運送、物の販売、金融保険、教育研究、医療、社会福祉などが含まれ、2022年10月からは弁護士・税理士・社会保険労務士といった士業も追加されました。

農林水産業、飲食業、宿泊業、理容美容業などは適用業種に含まれないため、従業員が5人以上いても強制適用にはなりません。また、適用業種であっても常時5人未満なら強制適用の対象外です。

これらの場合でも、任意適用という選択肢があります。従業員の半数以上が同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受けることで、適用事業所になれます。従業員の待遇を厚くしたい場合に検討されるルートです。繰り返しになりますが、適用事業所になっても事業主本人は被保険者になりません

労働保険は従業員を1人雇った時点で必要

労災保険と雇用保険をあわせた労働保険は、健康保険・厚生年金とは考え方が異なります。労災保険は、業種や人数にかかわらず従業員を1人でも雇えば適用されます。パート・アルバイトも含まれ、保険料は全額が事業主負担です。

雇用保険は、前章で見た加入要件(週の所定労働時間20時間以上、31日以上の雇用見込み)を満たす従業員がいる場合に手続きが必要です。要件を満たすかどうかは、本人や事業主の希望では選べません

つまり、健康保険・厚生年金は「業種と人数」で決まり、労働保険は「人を雇ったかどうか」で決まる、という違いになります。

届出の期限と提出先を整理する

制度ごとに提出先も期限も異なります。人を雇う予定が固まった段階で、この一覧を手元に置いておくと動きやすくなります。

  • 新規適用届
    事実発生から5日以内に、事務センターまたは管轄の年金事務所へ提出する
  • 被保険者資格取得届
    従業員を雇用した日から5日以内に、事務センターまたは管轄の年金事務所へ提出する
  • 保険関係成立届
    保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に、所轄の労働基準監督署へ提出する
  • 雇用保険適用事業所設置届
    事業所を設置した日の翌日から起算して10日以内に、所轄のハローワークへ提出する
  • 雇用保険被保険者資格取得届
    資格取得の事実があった日の属する月の翌月10日までに、所轄のハローワークへ提出する

期限がもっとも短いのは年金事務所へ出す5日以内の届出です。採用が決まってから準備を始めると間に合わないことがあるため、入社日が決まった時点で書類をそろえておくのが実務的です。建設業や農林水産業などの二元適用事業では、労災保険と雇用保険の手続きを分けて行う点にも注意が必要です。

保険料が払えないときと手続きを忘れたときの対処

保険料が払えないときは、放っておくしかないんですか?
国民年金は免除や納付猶予を申請できるのじゃ。未納とは扱いが違うぞ

事業の収入は変動します。開業直後や売上が落ちた時期に保険料の負担が重くなることは珍しくありません。放置がもっとも不利になるため、制度として用意されている対処を知っておくことが大切です。

国民年金には免除と納付猶予がある

保険料を納めるのが難しいときは、未納のままにせず免除・納付猶予を申請します。所得が一定以下の場合や失業した場合に、審査のうえで承認されます。

  • 申請免除:全額、4分の3、半額、4分の1の4種類がある。本人・世帯主・配偶者の前年所得などで判定される
  • 納付猶予:20歳以上50歳未満が対象で、本人と配偶者の所得で判定される。世帯主の所得は問われない
  • 学生納付特例:学生を対象とする制度。在学しながら個人事業を営む場合に該当することがある

未納と免除は結果が大きく異なります。未納期間は年金の受給資格期間に算入されず、障害基礎年金や遺族基礎年金を受けられなくなる可能性があります。一方、免除や猶予が承認された期間は受給資格期間に算入されます。申請先は住所地の市区町村の国民年金担当窓口または年金事務所で、電子申請も利用できます。

承認された期間の保険料は、10年以内であれば追納できます。事業が軌道に乗ってから納めて、年金額を回復させるという選択も可能です。

国民健康保険料は自治体の窓口へ相談する

国民健康保険には全国一律の免除制度はなく、減免の可否や基準は市区町村ごとに定められています。災害、失業、著しい所得減少などを理由とする減免制度を設けている自治体が多く、分割納付の相談に応じている場合もあります。

料率も賦課の方式も自治体によって異なるため、判断材料は自分の住む自治体の情報に限られます。納付が難しいと分かった時点で、通知書を持って窓口へ相談するのが確実です。滞納を続けると、通常の保険証より有効期間の短い証が交付されたり、給付が差し止められたりすることがあります。

切り替えを忘れると遡って加入することになる

期限を過ぎても、届出をすれば手続きはできます。ただし、加入日は届出をした日ではなく、資格を取得した日まで遡ります。国民健康保険なら退職日の翌日、国民年金なら国民年金の第2号被保険者でなくなった日が起点です。

遡って加入するということは、その間の保険料もまとめて請求されるということです。1年放置していれば1年分が一度に来ます。また、届出前に医療機関にかかった分は、いったん全額を自己負担することになります。

社会保険は届出をしなければ自動的に切り替わりません。手続きの遅れは保険料の減額にはつながらず、まとめて負担が来るだけになります。気づいた時点で早く届け出るほど、資金繰りへの影響は小さくなります。

まとめ

結局、どこから判断すればいいんでしょう?
強制加入の届出が先じゃ。比較や上乗せはその後で足りるぞ

個人事業主(フリーランス)の社会保険は、本人が強制加入する国民健康保険・国民年金・介護保険を軸に、任意加入できる労災保険の特別加入、そして原則として加入できない雇用保険という構成になっています。手続きは自動では進まず、制度ごとに窓口と期限が決まっています

判断に迷ったときは、次の順で確認すると整理しやすくなります。

  • 強制加入の手続きを先に済ませる
    国民健康保険と国民年金の種別変更は、いずれも14日以内が期限になっている
  • 退職直後の選択肢を比較する
    任意継続は20日以内という短い期限があるため、退職前に見込み額を確認しておく
  • 任意加入を検討する
    仕事中のケガで収入が途絶えるリスクが大きい業務なら、労災の特別加入が選択肢になる
  • 雇用の予定があるか確認する
    従業員を雇う場合は、5日以内・10日以内・翌月10日という事業所側の期限が加わる
  • 負担が重いときは早めに相談する
    国民年金は免除・納付猶予、国民健康保険は自治体の減免相談という窓口がある

社会保険の手続きで差がつくのは、制度の知識量よりも期限の管理です。退職日が決まった時点で14日・20日のカウントは始まっており、従業員を雇えばさらに短い5日の期限が加わります。加入先の比較や保障の上乗せは、この土台の手続きを終えてから検討しても遅くありません。


社会保険の加入制度は、選ぶ余地のある部分と、届出義務として決まっている部分がはっきり分かれている。強制加入の3制度は期限内の届出が前提であり、任意加入や加入先の比較はその上に積み上がる判断となる。制度の細部や保険料の算定方法は自治体・年度によって変わるため、最新の情報は市区町村、年金事務所、労働局など各制度の窓口で確認するのが確実である。

社会保険の加入制度は、期限を押さえれば迷わんのじゃ
制度の名前より、いつどこへ出すかが要なんですね!
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